2014年02月24日

The BFG


たまたま優しい巨人 BFG にさらわれた Sopie は、他の9人の巨人が毎晩人間を食べに行っていると聞いて、なんとか止めさせることはできないかと BFG と一緒に考えます。さて、Sopie と BFG はどうやって巨人達に人間を食べるのを止めさせるのでしょうか。

この小説は Dahl の作品の中でもすごくおもしろいと思います。でも、BFG の話す英語が文法的に不正確で、その上ことば遊びをするので理解しづらいところがあるので、教育熱心な親はあまり好まないかもしれません。Junie. B. も一部の親には不評らしいですから(もちろん英語圏で)。でも、この作品は Dahl 自身が遊んでいるところもあり人間を皮肉っているところもあるので、そういうところが読み取れるとすごく楽しめます。

(ここからはネタバレでも問題ない方が読んでください。)
たとえば、BFG は人間の家から拝借した1冊の本を何度も読んで英語を勉強したと言ってます。その本を "Dahl's Chickens の Nicholas Nickleby" と言ってます。もちろんこれは Charles Dickens の間違いなのですが自分の名前を入れる辺りについニヤついてしまいます。それにしても Dahl はよほど Dickens が好きなようで 「Matilda」でもMatilda に「C. S. Lewis や Tolkien はまじめすぎて面白くない。Dickens は面白くていい」と言わしめています。また、巨人が人間を食べると聞いて Sopie が「酷い、なぜ人間は気付かないの」と言うと BFG が "Human beans is killing each other much quicker than the giants is doing it" と言い「巨人は巨人同士で殺し合いはしない」とか「豚は何も悪いことをしてないのに何故殺されるんだと言ってるよ」と反論します。こういった皮肉に3ページも割いてるので子供にもそういったことをわかってほしいと Dahl は考えたのでしょう。また、この本は7歳で病気で亡くなった娘(そして40年以上前にやはり7歳で亡くなった妹)へ捧げる本ともなっているので命の大切さを訴えたい思いもあったのかもしれません。

YL5, 36928 words

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2014年01月19日

Daddy-Long-Legs


皆さんよくご存じの「あしながおじさん」です。最初の約300wordsは、主人公の18才の孤児の少女 Jerusha Abbotto が後援者の一人の善意で大学に行くことになった経緯を主人公が語ります。そのあとは、全編、サポートの条件として毎月その後援者に書く手紙が4年分綴られます。文才を認められて大学にいくことになったこと、作家を目指すことがサポートの条件であり本人もその気になっていることなどから、後になるほどだんだん難しい表現が出てくる気がしました。といっても、ペーパーバックとしては読みやすい部類だと思います。また、主人公が手紙に描いた絵ということで著者がイラストを描いていますので、これも楽しみたいところです。電子本や Project Gutenberg にあるコンテンツにはこのイラストは含まれていないようですので、この作品は紙の本で読むことをお勧めします。

この作品は約7年前に1度読んでいるのですが、続編の Dear Enemy を読みたくて再度読みました。7年前よりは、よく理解できたのではないかと思います。特に終わりの方はどんどん読めました。
この作品は 1912 年に出版され、著者 Jean Webster の代表作となっています。Jean Webster は大学に在学時から雑誌に記事を書いていたそうですが、母親が Mark Twain の姪であり父親も Mark Twain のビジネス パートナーだったなど著作家になるのに適した環境があったのかもしれません。また、ひいおばあさんが禁酒運動に参加し、おばあさんは人種的平等や婦人参政権の運動に参加したなど自由で活動的な環境に育ったためか、大学の時に貧しい子供の施設を訪問したり貧しい人たちの救済活動に参加し、卒業後も関わり続けたそうです。孤児院のことを書いたのも、そういった経験を踏まえてでしょうか。

よければ7年前に読んだ時に英語で書いた書評も読んでください。「英語で書いた書評」

では、Happy Reading!

(YL6.5, 36,327words, SSS書評)
タグ:YL 6
posted by モーリン at 07:59| Comment(1) | TrackBack(0) | ┣児童書 YL6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月08日

Emma のシリーズ (A I Can Read Book)

Emma's Magic Winter

Emma は引っ込み思案な女の子。学校で指名されて本を読んでも小さな声でしか読めません。ある日、隣に子供のいる家族が引っ越して来ます。「男の子は4つで女の子はあなたと同い年よ」とお母さんが教えてくれます。そして、お母さんに言われて隣にパイを持って行ったとき玄関に自分と同じ赤いブーツがあるのを発見します。(YL2, 1,100 words, SSS書評)

Emma's Yucky Brother

Emma の家で隣の男の子と同い年の男の子を養子にすることになりました。 友達は「弟なんてみんな PEST よ」と言います。「私の弟は PEST じゃないもん」と答える Emma ですが、やって来た弟は・・・。(YL1.8, 1,468 words, SSS書評)

Emma's Strange Pet

弟のMaxがペットに犬が欲しいと言い出すのですが Emma はアレルギーがあって毛のあるペットは飼えません。じゃあ、毛のないペットを飼おうと言い出した Emma ですが、果たしてどんなペットを飼うのか。(YL1.8, 1,386 words, SSS書評)

この 3 冊は A I Can Read Level 3 の中でも人気があり、僕も大好きなシリーズです。きっと多読をやってる皆さんは読んだことがあるのではないでしょうか。すべて Jean Little というカナダ在住の女性の作品です。ストーリーは面白おかしい内容でなく、内気な女の子が友達を作ったり、養子縁組やアレルギーと割とシリアスな話です。しかし、揺れ動く子供の心がたった1100ワードから1500ワードぐらいの中でよく書かれています。僕は特に 2 冊目の "Emma's Yucky Brother" が好きです。また、"yucky" や "pest"、"get lost" など僕たちが決して学校では習わないような言葉も登場します。この本は2〜4年生向けですから大人はみんなこのような言葉は知ってるんでしょうね。
Jean Little は子供向けの本をたくさん書いていて、僕はこの作品で Jean Little のファンになり別の本も何冊か読みました。みんな、心がやさしくなる本ばかりでした。それで、実はファンレターを書いて電子メールで送ったのです。そうしたら、返事をもらいました。そして、驚いたことに日本にしばらく住んだことがあると書いてありました。そういえば、主人公の隣人の名前が "Hana" という本もあったので、それでかと思いました。また、Jean Little は生まれた時から目がよく見えなかったそうで心の動きに敏感なのもそんなところから来ているのかもしれません。Jean Little の作品で僕の1番のお気に入りは "Hey World, Here I Am!" です。物語ではないのですが読んでとてもいい気分になれます(別途、紹介したいと思います)。"Emma's Magic Winter" をはじめ多くの Jean Little の本が在庫がないためか数千円するなかでこの本はまだ安くで手に入るようです。
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タグ:YL2 ICR
posted by モーリン at 05:13| Comment(2) | TrackBack(0) | ┣児童書 YL2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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